CSS の box-sizing プロパティで width の計算方法を制御する

CSS の width プロパティが要素のどの部分の幅を示すかは、box-sizing プロパティの設定によって変化します。 段組などのレイアウトを正しく行うには、box-sizing の考え方を理解しておく必要があります。

content-box 指定と border-box 指定

下記の図は、HTML 要素の width の値が、具体的にどの部分の幅であるかを示しています。 ここでは簡略化のために width の例を示していますが、height も同様です。

img-001.svg

box-sizing プロパティのデフォルト値は content-box になっており、簡単に言うと、テキストの描画部分の領域のことを表しています。 デフォルトの状態で、width: 300px; というスタイル指定を行った場合、その 300px にはパディング (padding) 部分や、ボーダー (border) 部分のサイズは含まれません。 つまり、width: 300px; と指定された要素が実際に描画されるときには、それよりも大きなサイズで描画されることになります。 ボーダー領域まで含めたサイズを、width プロパティや height プロパティで指定したいときは、box-sizing プロパティの値を border-box に指定します。

CSS
.sample {
  /* width と height にボーダー領域まで含める */
  box-sizing: border-box;
}

実際に試してみる

下記のデモは、box-sizing プロパティの値を content-box(デフォルト)と border-box に設定したときの表示の違いを示しています。 分かりやすくするために、ボーダー領域は青色で表示しています。 パディング領域だけに色をつけることはできないため、テキストの周りの微妙な隙間がパディング領域だと思ってください。

図: box-sizing のデモ(別ページで開く

どちらも、width300px としていますが、box-sizing: border-box; と指定した場合は、ボーダー領域まで width に含めて計算するようになるため、実際の表示も若干小さくなります。

HTML
<div class="content-box">
  box-sizing: <b>content-box</b>;
</div>

<div class="border-box">
  box-sizing: <b>border-box</b>;
</div>
CSS
div {
  width: 300px;
  height: 100px;
  margin: 10px;
  padding: 10px;
  border: solid 10px #59f;
  background: #ddd;
}

div.content-box {
  box-sizing: content-box;
}

div.border-box {
  box-sizing: border-box;
}
☝️ ワンポイント ちなみに margin に関しては、width の計算に含まれることはありません。 margin はあくまで 要素の外側 のマージンだと考えましょう。

段組レイアウトでは box-sizing: border-box が便利

2つ以上のボックスを横に並べて段組レイアウトを行う場合、デフォルトの box-sizing アルゴリズム (content-box) を使用していると、width 値の指定が非常に複雑になります(パディングやボーダーのサイズを考慮して width 値を調整しなければならないため)。 このような場合、横に並べるボックス要素に、box-sizing: border-box; の指定を行っておくと、直感的な width 指定を行うことができます。

図: box-sizing のデモ 2(別ページで開く
CSS
<div>
  <div class="pane pane-left">Left (150px)</div>
  <div class="pane pane-right">Right</div>
</div>
CSS
.pane {
  box-sizing: border-box;
  height: 100vh;
  padding: 10px;
}

.pane-left {
  float: left;
  width: 150px;
  background: #f9c;
}

.pane-right {
  margin-left: 150px;
  background: #9fa;
}