D-Bus の low-level API は libdbus というライブラリで提供されています。
通常、D-Bus アプリケーションを作成するときは、この low-level API だけ使用してコーディングするのではなく、D-Bus binding と呼ばれる、より上位のライブラリを使用します(というような記述が、D-Bus の API ドキュメントのトップに書いてあります)。
例えば C 言語の場合は、dbus-glib や GDBus などがあります。 現在は dbus-glib は obsolete になっていて、GDBus が GIO ライブラリの一部として提供されているようです(glib-2.30.x 以降でサポート)。 とはいえ、現状は GDBus の情報はネット上にほとんどありません。
それぞれのライブラリで、API のプレフィックスが以下のように異なっているので、サンプルコードなどを読むときに、どのライブラリを使用しているかの判断基準になります。
dbus_XXX
dbus_g_XXX
g_dbus_XXX
GDBus は dbus-glib と違い、内部で libdbus を使用していません。
GDBus は type system として GVariant をバリバリ使うので、GVariant についてマスターしている必要があります(はっきり言って、GVariant 使ったコードはあまり美しくないです)。
XML introspection データからグルーコード(Stub とか Proxy とか)を作成するツールがあるのですが、dbus-glib が dbus-binding-tool を使うのに対し、GDBus は gdbus-codegen というツールを使用します。