MNIST とは
MNIST (Modified National Institute of Standards and Technology) は、手書き数字認識のためのデータセット で、0 から 9 までの単一の数字が手書きされた 28x28 ピクセルのグレースケール画像が含まれています。 各画像は対応する数字のラベルを持っており、機械学習や深層学習のアルゴリズムのトレーニングやテストに使用されます。
MNIST データの取得
MNIST のデータは、Python の keras.datasets
パッケージを使って簡単に取得することができます。
mnist.load_data()
が返す MNIST データは、学習用のデータとテスト用のデータに分かれており、それぞれ下記のような内容の NumPy 配列になっています。
X_train
- 学習用の画像(データ数: 60,000、サイズ: 28x28)。各要素には 0〜255 の輝度値が含まれており、
X_train[画像Index][行Index][列Index]
で参照できます。 y_train
- 学習用のラベル(データ数: 60,000)。各要素には 0〜9 の正解ラベルが含まれており、
y_train[画像Index]
で参照できます。 X_test
- テスト用の画像(データ数: 10,000、サイズ: 28x28)。各要素には 0〜255 の輝度値が含まれており、
X_test[画像Index][行Index][列Index]
で参照できます。 y_test
- テスト用のラベル(データ数: 10,000)。各要素には 0〜9 の正解ラベルが含まれており、
y_test[画像Index]
で参照できます。
ちなみに、X_train
や X_test
の X
が大文字になっているのは、多次元ベクトルであることを示すための慣例です。
逆に正解ラベルである y_train
や y_test
は 1 次元データなので y
を小文字にしています。
MNIST の手書き画像を表示する
matplotlib
などを使って、MNIST の画像データを表示することができます。
次の例では、学習用データの先頭の 15 個を表示しています。
サンプルコード内の show_images
関数は、任意の数の画像を表示できるようにしてあります。
(おまけ)CNN による学習
Keras で CNN モデルを構築して手書き数字画像を学習する実装例です。
from keras.datasets import mnist
from keras.models import Sequential
from keras.layers import Conv2D, Dense, Dropout, Flatten, MaxPooling2D
from keras.optimizers import RMSprop
from keras.utils import to_categorical
# MNIST の手書き数字データをロード
(X_train, y_train), (X_test, y_test) = mnist.load_data()
# サイズ情報
WIDTH, HEIGHT = X_train[0].shape # 画像の横幅と高さを取得
CHANNELS = 1 # 画像のチャネル数はグレースケールなので 1
INPUT_SHAPE = (HEIGHT, WIDTH, CHANNELS)
OUTPUT_SIZE = 10
# CNN への入力用に三次元データに変換し、画素値を 0〜1 に正規化
X_train = X_train.reshape(-1, HEIGHT, WIDTH, CHANNELS) #=> (60000, 28, 28, 1)
X_train = X_train.astype("float32") / 255
X_test = X_test.reshape(-1, HEIGHT, WIDTH, CHANNELS) #=> (10000, 28, 28, 1)
X_test = X_test.astype("float32") / 255
# 正解ラベルを one-hot ベクトル化
y_train = to_categorical(y_train.astype("int32"), OUTPUT_SIZE) #=> (60000, 10)
y_test = to_categorical(y_test.astype("int32"), OUTPUT_SIZE) #=> (10000, 10)
# CNN モデルを作成
model = Sequential()
model.add(Conv2D(32, kernel_size=(3, 3), activation="relu", input_shape=INPUT_SHAPE))
model.add(Conv2D(64, kernel_size=(3, 3), activation="relu"))
model.add(MaxPooling2D(pool_size=(2, 2)))
model.add(Dropout(0.25))
model.add(Flatten())
model.add(Dense(128, activation="relu"))
model.add(Dropout(0.5))
model.add(Dense(OUTPUT_SIZE, activation="softmax"))
# モデルのコンパイル
model.compile(loss="categorical_crossentropy", optimizer=RMSprop(), metrics=["accuracy"])
# 学習
hist = model.fit(X_train, y_train, batch_size=128, epochs=6, verbose=1, validation_data=(X_test, y_test))
# 評価
score = model.evaluate(X_test, y_test, verbose=1)
print("accuracy={}, loss={}".format(score[1], score[0]))
# epochs=1 で accuracy=0.983 くらい
# epochs=3 で accuracy=0.988 くらい
# epochs=6 で accuracy=0.991 くらい