はじめに(用語とか)
- スペース状態 ・・・ 信号 0。入力 +3V 以上。出力 +5V ~ +15V。
- マーク状態 ・・・ 信号 1。入力 -3V 以下。出力 -5V ~ -15V。
- 短絡時最大出力電流 ・・・ 500mA。
- ハードウェアフローコントロール ・・・ RTS と CTS の信号線を使ったフロー制御。RTS/CTS とも記述されます。
- ソフトウェアフローコントロール ・・・ ソフトウェアによるフロー制御。アプリケーションで決められた特殊な記号を送信することでフロー制御を行います。RTS と CTS ワイヤは使用しません。Xon/Xoff とも記述されます。
- DTE デバイス ・・・ 通常は PC を示します。オスコネクタを持ちます。
- DCE デバイス ・・・ 通常は シリアルデバイスを示します。メスコネクタを持ちます。DTE デバイスと DCE デバイスをつなぐ時は通常ストレートケーブルを用います。
- ヌルモデムケーブル/ヌルアダプタ ・・・ 送信と受信の信号線をクロスさせたものです。TxD ⇔ RxD、DTR ⇔ DSR、RTS ⇔ CTS のようにクロスされます。
DSub 9 ピン

(DTE デバイス(PC 側)オス)
ピン番号 | 表記 | I/O | 意味 | 説明 |
---|---|---|---|---|
1 | DCD | In | Data Carrier Detect(キャリア検出) | 外部端末の送受信準備ができたことを知る |
2 | RxD | In | Receive Data(受信データ) | |
3 | TxD | Out | Transmit Data(送信データ) | |
4 | DTR | Out | Data Terminal Ready(データ端末準備) | PC が繋がっていることを認識させる(PC → 外部) |
5 | GND | --- | Ground(信号用グラウンド) | |
6 | DSR | In | Data Set Ready(データセット準備) | 端末が繋がっていることを認識する(PC ← 外部) |
7 | RTS | Out | Request To Send (DTE の送信要求) | PC の送信開始信号(フロー制御用)(PC → 外部) |
8 | CTS | In | Clear To Send(DCE の送信要求) | PC への受信開始要求(フロー制御用)(PC ← 外部) |
9 | RI | In | Ring Indication(被呼表示) | 電話がかかってきたことを伝える/PC の電源を制御する |
PC からデータを送信するのに最低限必要なのは、TxD(3) と GND(5) です。 データを受信する時は RxD(2) が必要です。 出力の信号線は、デフォルトでマーク状態(-)かスペース状態(+)のどちらかを出力してます。
信号線 | COMポート接続時 | COMポートオープン時 |
---|---|---|
TxD (3) | mark(-) | mark(-) |
DTR (4) | mark(-) | space(+) |
RTS (7) | mark(-) | space(+) |
小さな回路なら、DTR(4) と RTS(7) から電源供給することができます。 といっても電流量は少ないし、マシンによって供給量が多少異なるので、あまり信頼できません。 DTR(4) と RTS(7) を並列に繋ぐと電流を増やせます。
- CD/DCD (1) ・・・ モデムが相手側のモデムと接続を確立した時や、キャリアトーンの検出を知らせます。この信号線はめったに使用されません。
- RD/RxD (2) ・・・ DCE から DTE へのデータ受信に使用されます。RD ワイヤは DTE デバイスがアイドル状態の時、マーク状態になります。
- TD/TxD (3) ・・・ DTE から DCE へのデータ送信に使用されます。TD ワイヤは DTE デバイスがアイドル状態の時、マーク状態になります。逆にバッファがいっぱいの時はスペース状態になります。
- DTR (4) ・・・ DTE デバイスの準備ができていることを示します。電源が入っていることを確かめるために使用したりしますが、あまり使われない信号線です。Windows で COM ポートを開くと 1 になり、閉じると 0 になります。
- DSR (6) ・・・ DCE デバイスの準備ができていることを示します。電源が入っていることを確かめるために使用したりしますが、あまり使われない信号線です。
- RTS (7) ・・・ DTE デバイスと DCE デバイス両方のハードウェアフローコントロールが ON の場合に使用されます。DTE がデータ受信可能(待機中)な時は、このワイヤがマーク状態になります。逆にバッファがいっぱいの時はスペース状態になります。
- CTS (8) ・・・ DTE デバイスと DCE デバイス両方のハードウェアフローコントロールが ON の場合に使用されます。DCE がデータ受信可能(待機中)な時は、このワイヤがマーク状態になります。
- RI (9) ・・・ モデムが呼び出し信号を受信したことを知らせます。つまり電話が鳴ったときに PC にそれを知らせます。この信号線はめったに使用されません。
非同期通信
Windows などの PC では主に非同期通信が使用されます。 同期通信のように常に信号をやりとりしていないため、データの送信を示すためのスタートビットが必要になります。 データを送信していない時(アイドル時)は TX はマーク状態 (1) になっているので、スタートビットは 0 の信号になります。 1 つのデータの構造は次のようになります。
スタートビット (1 bit) | データ (4 ~ 8 bits。主に 8 bits) | ストップビット (1 bit) |
ケーブル長
Baud Rate | シールドケーブル | 非シールドケーブル |
---|---|---|
110 | 1500 m | 300 m |
300 | 1200 m | |
1200 | 900 m | 150 m |
2400 | 600 m | |
4800 | 150 m | 75 m |
9600 | 75 m | 30 m |