dict が保持する要素の順序
Python の辞書オブジェクト (dict
) は要素の追加順序を保持しており、要素のイテレート時や print
での出力時はこの順序で出力されるようになっています(Python 3.7 以降)。
単純にキー名のアルファベット順にループ処理したい場合は、例えば次のようにします。
でもこれは、出力時に一時的なキーリストをソートしているだけで、辞書オブジェクト内部の要素順序を制御しているわけではありません。 次のようにすれば、あるキーの要素を辞書オブジェクト内で末尾に持ってくることができます。
book['id'] = book.pop('id')
単純に id
キーの要素を取り出して、再度辞書オブジェクトに追加しているだけです (^^;
この後、print(book)
とすると、id
要素が最後に出力されます。
もっといい方法があるかもしれませんが、この仕組みだけである程度柔軟な並び替えが可能です。
例えば、次の sort_dict
関数は、辞書オブジェクト内部の要素をキー名順に並び替える関数ですが、priority_keys
引数でキー名のリストを渡すと、それらのキーは優先的にその順番で先頭に並べられます。
下記はこの sort_dict
関数の使用例です。
book
オブジェクト内のキーをアルファベット順にソートしつつ、id
と title
キーは優先的に先頭に並べるようにしています。
OrderedDict について
ちなみに、Python は dict
のサブクラスとして collections.OrderedDict クラスを用意しています。
通常の dict
が要素の追加順序を保持するようになった今、OrderedDict
の出番はあまり多くないかもしれませんが、OrderedDict
は独自のメソッドを備えていたりします。
例えば、指定した要素を末尾か先頭に移動させる move_to_end(key, last=True)
メソッドがあります。