指定した環境変数を取得する
Python で OS の環境変数を取得するには、os.getenv
関数を呼び出すか、os.environ
辞書オブジェクトを参照します。
両者の違いは、存在しないキーを指定した場合に os.getenv
がデフォルトで None
を返すのに対し、os.environ
は KeyError
例外を投げるという点です(辞書オブジェクト参照時の共通の振る舞いです)。
通常は os.getenv
関数を使った方が、例外をハンドルせずに済むのでシンプルなコードになります。
ただし、複数の環境変数を参照する場合は、os.environ
を使って一度に例外処理した方が分かりやすくなることがあります。
os.getenv
関数の第 2 パラメータ (default
) では、キーが存在しな場合のデフォルト値を指定することが可能です。
ちなみに、os.environ.get()
という関数もありますが、これは os.getenv()
関数のエイリアスです。
すべての環境変数を列挙する
単一の環境変数を参照するときは os.getenv
関数が便利ですが、すべての環境変数をループ処理したい場合は os.environ
オブジェクトをループ処理するとよいです。
より実践的なサンプル
ある環境変数が設定されていない場合にプログラムを終了する
次の config.py
モジュールは、環境変数 MYAPP_USER
と MYAPP_PASS
の値を参照し、同じ名前の変数にセットします。
環境変数が見つからない場合は、対応方法を出力してプログラムを終了します。
""
) がセットされているときにエラーにしたくない場合は、上記の if not env_val:
の部分を if env_val is None:
に変更します。
env_val
が文字列型の場合、if not env_val:
という条件指定は、if env_val is None or env_val == "":
と同じ意味になります。さらに、.env ファイルを使って環境変数を設定できるようにしておくと、よりユーザーにとって扱いやすいプログラムになります。
上記の config.py
モジュールは、別のモジュールから次のような感じ使用できます。
config.MYAPP_USER
や config.MYAPP_PASS
の値は、config.py
をインポートしたときに自動的に初期化されるので、定数のように参照できます。
複数のモジュールから config.py
をインポートする場合は、最初にインポートしたときのキャッシュが使われるので、何度も load_env_or_exit
関数が呼ばれてしまう心配はありません。
あるプログラム専用のプロキシ環境変数を用意する
プロキシの設定を行う場合、一般的に http_proxy
環境変数が使用されますが、この環境変数を参照するのが適切ではないケースがあります。
例えば、http_proxy
環境変数を設定することにより、依存する別のプログラムが動作しなくなってしまうようなケースです。
このような場合は、次のようにアプリ特有の環境変数でプロキシを設定できるようにすることで対処できます。