(追記) Android 10 (Q) 以降では、より洗練された Perfetto を使ってパフォーマンス解析できます。
systrace コマンドの基本
Android SDK に付属している systrace.py
スクリプトを使用すると、Android デバイス全体のプロセスに関するプロファイリングを行うことができます(I/O アクセスや UI スレッドの状況など)。
systrace
は Python スクリプトとして提供されているため、実行するときは下記のような感じでパラメータを指定して実行します。
プロファイルの取得が完了すると、プロファイル結果を表示するための HTML ファイルがカレントディレクトリに作成されます。
Capturing trace......................................................Done.
Downloading trace....Done.
wrote file://C:\trace.html
この HTML を Web ブラウザで開いてボトルネックの分析を行うことができます。
Web ブラウザ上で ?
キーを押すと、使用できるショートカットキーの一覧を確認できます。
バッチファイル化
systrace
コマンドを実行するときに、同じようなパラメータを毎回指定するのは面倒ですし、Windows 環境ですと PATH を通したりするのも若干面倒ですので、下記のようなバッチファイルを作成しておくと便利です。
ここでは、Android SDK のディレクトリパスが ANDROID_SDK
環境変数に設定されていると想定しています。
環境変数の設定が面倒であれば、バッチファイル内の SYSTRACE
変数の内容を直接いじってしまっても OK です。
このバッチファイルを PATH の通ったディレクトリに置いておけば、どのディレクトリからでも systrace
と打つだけでプロファイルを取得できるようになります。
C:\> systrace
Capturing trace..............................................Done.
(応用)バッチファイルにパラメータを追加する
下記は上記のバッチファイルをちょっと応用して、計測時間(秒)と、出力ファイル名をパラメータで指定できるようにしたものです。
例えば、5 秒間計測して、output.html というファイル名で保存するには次のように実行します。
C:\> systrace 5 output.html
パラメータを省略した場合は、計測時間は 3 秒間、出力ファイル名は trace.html
になるようにしています。
ちなみに、Windows バッチファイルのコマンドライン引数の扱い方は、下記の記事で詳しく説明しています。