まくまくトレードステーションノート
EasyLanguage: 変数を定義する (var, variables)
2017-10-08
コード内の複数個所から同じ値を使用したい場合は、その値を変数として定義しておくと便利です。

変数を定義する

EasyLanguage の中で変数を定義するには、下記のいずれかのキーワードを使用します(すべて同じ意味で、大文字小文字の区別もありません)。 迷ったら、一番短い var を使っておけば OK です(タイプ数削減)。

var:
vars:
variable:
variables:

変数は、その初期値に応じて、数値、真偽値 (true or false)、文字列といった型の値を保持します。 変数の初期値は、必ず変数名の後ろに続けて指定する必要があります(文法上省略できません)。 下記の例では、3つの変数(数値、真偽値、文字列)を定義しています。

var: LastHigh(0), NewHigh(false), HighAlert("");

次のように複数行に分けて定義することも可能です。 この書き方は、変数の説明をコメントで記述するときに便利です。

var:
    LastHigh(0),     { Creates a numeric variable }
    NewHigh(false),  { Creates a true/false variable }
    HighAlert("");   { Creates a text variable }

EasyLanguage では、1文字の単語が予約語とされているものがある (OHLC など)ため、変数名には1文字の名前を付けないようにしましょう。 myHogeHoge のように my プレフィックスを付けるといった工夫をするとよいでしょう。 ちなみに変数名の最大文字数は 42 文字で、大文字と小文字の違いは無視されます。

変数に代入する

変数には、= 演算子を使用して新しい値を代入することができます。

var: FastAverage(0), SlowAverage(0);

FastAverage = AverageFC(Close, 9);
SlowAverage = AverageFC(Close, 18);

上記の例では、現在のバーから見て過去 9 本分の移動平均値と、過去 18 本分の移動平均値を変数に代入しています。

変数はバー間で引き継がれる

EasyLanguage の変数は、各バーの計算処理を行う際に、 前回のバーで変数が保持していた値を引き継ぐ という特徴があります。 例えば、下記のインジケータープログラムは、変数の値をただプロットするだけのものですが、各バーの計算処理のたびに、変数の値は1ずつ増えていきます。

var: myCounter(0);

myCounter += 1;
Plot1(myCounter, "SampleCounter");

このインジケーターをチャート分析ウィンドウに適用すると、myCounter 変数の値が、各バーごとに1ずつ増えていく様子が分かります。 var: キーワードのところで指定した初期値による初期化は、一番最初のバーでのみ実行されるということですね。

vars.png

過去のバーの変数値を参照する

上記の説明の通り、変数の値は次のバーの計算処理に引き継がれるのですが、過去のバーに遡って変数値を参照することもできます。 例えば、1 つ前のバーにおける myCounter 変数の値は、myCounter[1] というように参照することができます(1 つ前の終値を Close[1] で参照できるのと同様ですね)。

下記のストラテジーでは、9 本足の移動平均値を myAvg 変数に格納しています。 myAvg[3] とすると、3 本前の移動平均値を参照できるので、これと現在の移動平均値を比べて、ゴールデンクロスで買い、デッドクロスで売り、という戦略を実装しています。

var: myAvg(0);

myAvg = AverageFC(Close, 9);
if myAvg Crosses above myAvg[3] then Buy next bar 100 shares at market;
if myAvg Crosses below myAvg[3] then Sell next bar at market;

まったく根拠のないストラテジーなので、これを実際の自動売買には使用しないでください。

2017-10-08