まくまくVimノート
Leader キーを使ったキーコンビネーションを定義する (mapleader)
2020-04-04
Leader キーはキーマッピングを定義するときの、置き換え可能なプレフィックスキーです。

Leader キーとは

例えば、.vimrc で次のようなキーマップ設定があったとします。

nmap <Leader>a :echo "Hello"<CR>
nmap <Leader>b :echo "World"<CR>

これは、Leader キーに続けて a キーや b キーを入力することで、HelloWorld と表示するキーコンビネーションを定義しています。 つまり、Leader キーはキーコンビネーションのためのプレフィックスキー です(実際には任意の位置で使えますが)。

デフォルトでは、Leader キーはバックスラッシュ (\) に割り当てられているため、\a と入力することで Hello と表示されることになります。 次のように直接バックスラッシュキー (<Bslash>) を使って定義するのとは何が違うのでしょうか?

nmap <Bslash>a :echo "Hello"<CR>
nmap <Bslash>b :echo "World"<CR>

Leader キーを使ったキーマッピングには、次のような利点があります。

  • Leader キーは単なるプレフィックキーだということを強調できる(特に自分の .vimrc を公開するとき)
  • Leader キーだけを変更したくなったときに、まとめて置き換えられる(Leader キーは任意のキーに設定できます)
  • 他のユーザーの .vimrc 設定を使いまわしやすい(自分の好きな Leader キーで使える)
  • Plugin の中でキーマッピングを定義するときに Leader キーを使うことで、ユーザーによるキー設定の余地を残す

Leader キーを設定する (mapleader)

Leader キーを任意のキーに設定するには、次のように mapleader 変数を設定します。 デフォルトではバックスラッシュキーが使用されますが、決して押しやすいキーではないので、スペースキーやカンマを Leader キーとして使用する人が多いようです。

let mapleader = "\<SPACE>"
let mapleader = ","

mapleader 変数は、nmapnnoremap などのキーマッピング設定で <Leader> を参照する前に定義しておく必要があります。 mapleader 変数を設定する前に <Leader> を参照すると、デフォルトのバックスラッシュキーに置き換えられます。

ちなみに、ノーマルモードのスペースキーには、デフォルトでは L キーと同じ振る舞い(カーソルを右へ移動させる)が割り当てられています。 Leader キーをスペースキーに割り当てた場合でも、スペースキーを押してから 1 秒間放置することで、このデフォルトの振る舞いを実行することができます。

Leader キーを使ったキーマップの例

" タブの切り替え
nnoremap <Leader>h :<C-u>tabprev<CR>
nnoremap <Leader>l :<C-u>tabnext<CR>

" NERDTree 用のキーマップ
nnoremap <Leader>nt :<C-u>NERDTreeToggle<CR>
nnoremap <Leader>nf :<C-u>NERDTreeFind<CR>

<Leader> は小文字で <leader> と記述することもできます。

Leader キーにどのキーが設定されているか調べる

次のようにして Leader キーの現在の割り当てを調べることができます。

:echo mapleader

何も設定されていない場合(デフォルトでバックスラッシュキーが割り当てられている場合)は、次のようなエラー表示になります。

E121: Undefined variable: mapleader
E15: Invalid expression: mapleader

Leader キーにスペースキーが割り当てられている場合は、空白文字が出力されるので、実際には何も表示されていないように見えます。

(おまけ)VS Code での Leader キー設定

VS Code (Visual Studio Code) の Vim プラグインでも、Leader キーの設定ができます。

"vim.leader" : "<space>",   // Leader キーの設定
2020-04-04