Chapter 2 -- IP Address

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物理アドレスの非互換性の問題

 各ネットワークは互換性のない独自の技術によって構成されているので、 その物理アドレス(physical address)も互換性がない。 そこで、統一アドレス付け(uniform addressing)するために、 プロトコルソフトウェアは、独自のアドレス付けを定義する。

→ IP Address (32bit)
 つまり、ある2つのアプリケーションが通信を行う時、 相手のハードウェアアドレスを知る必要はない。


IP Addressのクラス

32ビットIP Addressは2つの階層に分かれる。

IP Addressのクラスは以下のように分類される。

class A
0 8 16 24
0 prefix suffix
class B
10 prefix suffix
class C
110 prefix suffix
class D
1110 multicast address
class E
1111 reserved for future use

 オクテットの境界でプレフィックスとサフィックスは分割される。 クラスA〜Cはホストアドレスに使用され、基本クラス(primary address)と呼ばれる。


ドット区切り10進記法

10000000 10000000 11111111 00000000 → 128.128.255.0
 IP AddressはIP Address自身からそのアドレスクラスを計算できるので、 自己特定型(self identifying)と呼ばれる。 例えば、2進法では最初の4bitを調べれば、クラスが分かるし、 10進法では、第1オクテットを調べれば判別できる。

クラス第1オクテット
A0 〜 127
B128 〜 191
C192 〜 223
D224 〜 239
E240 〜 255

割り当てられるネットワーク数、ホスト数

クラスネットワーク数ホスト数
A27 = 128224 = 16777216
B214 = 16384216 = 65536
C221 = 209715228 = 256

 実際には特別アドレスフォームに使用するアドレスがあるので、もっと少ない。


ローカルアドレス

クラスアドレスサブネットマスク
A10.0.0.0 - 10.255.255.255255.0.0.0
B172.16.0.0 - 172.31.255.255255.255.0.0
C192.168.0.0 - 192.168.255.255255.255.255.0
RFC1597より

クラスA〜Cどれを選択するか

 ISP(Internet Service Providers)は、IANA(Internet Assigned Number Authority)と 協調し、各ネット−ワークプレフィックスがグローバルインターネットに対して、 一意であることを保証する。また、クラスAが認められることは滅多にない。 (現在では、クラスAが割り当てられることはありません。 クラスBのアドレスが不足する傾向にありますが、クラスCのアドレスにはまだ余裕があります。)


特別アドレスフォーム(special address form)

TypeExampleDescription
ネットワークアドレス
(network address)
10.0.0.0 ネットワークを指定する。suffixが全て0。
指定ブロードキャストアドレス
(directed broadcast address)
10.255.255.255 指定のネットワークへのブロードキャスト。suffixが全て1。
制限ブロードキャストアドレス
(limited broadcast address)
255.255.255.255 ローカルネットワークへのブロードキャスト。全て1。
自己コンピュータアドレス
(this computer address)
0.0.0.0 ブートストラップ時の自己アドレスとして扱う。全て0。
ループバックアドレス
(loopback address)
127.0.0.1 ネットワークアプリケーションのテストに使う。 自己コンピュータに対してパケットを送信するが、 実際のネットワークを介することはない。クラスAのprefixを127にしたもの。

 ※ バークレイブロードキャストアドレスフォーム

 BSD UNIXの初期TCP/IPプロトコルでは、指定ブロードキャストを表すために、 suffixが全て1ではなく、全て0というアドレスを用いていた。 いくつかのTCP/IP実装では、これらを両方受け入れるように設計されている。


ルータのIP Address

 ルータは、複数の物理ネットワークの接点として用いられるので、 複数のprefixを持つことになる。 つまり、ルータには2つ以上のIPアドレスが割り当てられる(→multihomed)。 組織内ネットワークでは、ルータのsuffixを統一する(例えば1とする)と 管理が楽になる。


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